HP管理者からのごあいさつ

長い間みなさまにご愛読いただきました「上ちゃんのワイン日記」ですが、作者の方の仕事が忙しくなり、しばらくお休みをくださいとの連絡を頂きました。無報酬というボランティヤでお願いしていますので、あまり無理を掛けられないと思い、止めるのでなく新たの原稿ができたら、皆様に公表するとの約束をお願いしました。

どなたか無理なお願いを聞き止める方は居ないかと思案にくれてたところ、神戸の垂水にお住まいで当店のワインをよくお買い上げ頂いています方に、なんとか依頼できました。

 ● issyさんのプロフィール ●
1922年生まれで、長崎で開業され日本医師会最高優功賞を受けられ、現役を退かれて優遇自適の生活をされているのですが、世界旅行がお好きで、行った回数・訪れた国は数知れず、神戸から出発します世界一周旅行の豪華客船「飛鳥」には、毎年のように行かれています。また、その経験を生かして何冊かの旅行記の本を出版されています。

その豊富な人生経験と世界旅行から、書いて頂ける内容はどんなにすばらしいでしょう。一番楽しみにしていますのは、かくゆうわたし個人です。私の父親も同じ大正11年の戌年ですが、あいにく介護が必要になっています。issyさんのパワーにぜひあやかりたいと思っています。
みなさまもご期待ください。









ワインと旅の随想 「issyさんの日記」

               No.1 2002.5.

   
    
はじめまして (2002年5月)

  巷に船に乗り損ねた男がいて不運を嘆いていました。そこに親切なご夫婦が現れて、チャンスは長い髪をたらしていますがその他はツルツルの禿げ頭と言われています。近づいたときに確実につかまないと後からはつかめません。この機会にご自分の前後をしっかりと眺めて見てはと慰めて頂きました。


そこで一念発起して私の来し方行く末や、私を取り巻く環境などを思いつくままに書きとどめる事にしました。

私は小さいときにぶどう酒と言えば「赤玉ポートワイン」のように甘くて赤い飲み物だと思っていました。ところが「黄玉ポートワイン」は赤くありません。また甘くてのみ安いものだと思っていましたが、大黒ぶどう酒とか蜂ぶどう酒などは甘くありません。子供ながらに好奇心が旺盛だった私はみんな舐めてみたのです。勿論ビールも日本酒も舐めてみました。変わったものでは髪につけるポマードさえ羊羹の変種かと考え舐めてみました。
                                            
小学校に入る前のことです。近所に小さな造り酒屋がありました。ある日私がそこに遊びに行くとちょうど原酒を漉しているところでした。小僧さんが「舐めてみるかい」と出してくれた原酒を湯呑半分ぐらい飲んでしまったようです。甘くてとろっとしていてとても美味しかったことを覚えています。真っ赤な顔をしてフラフラと我が家に帰り、ドタンと畳の上に転がって眠ってしまったので母親はびっくりしたようですが、お酒のにおいがプンプンするのですぐ判ったそうです。夕方父親が帰宅してから社長さんが小僧さんを連れて謝りに来ていたようです。
                 
 小中学校の生徒時代にはお砂糖水に赤ワインを滴下して飲む程度でした。戦争が近づくとお酒は貴重品で縁遠いものになってしまいました。それでも学生の頃は帽子を懐にねじ込んで恐る恐るビールを飲みに行ったこともあります。663mlが23銭だったのが後では27銭になったと思います。デパートの食堂でコーヒーが5銭、ランチが40銭。めし屋でご飯の大盛7銭、中5銭、小3銭の時代です。その当時でも一流ホテルのロビーでコーヒーを頼むと25銭はとられました。遠い昔です。
     
 戦争中は中支にいたので飲み食いには余り不自由しませんでした。中国の飲み屋に行くとお店はお酒を飲ませるだけです。お酒は黄酒(老酒・紹興酒など)と白酒(高梁酒など)です。私は廉い地酒の老酒ばかり飲んでいました。錫で作ったお銚子に一斤(160ml程度)を人肌燗にして持ってきます。お値段は忘れました。チョビケンと呼ばれる紙幣でした。

肴は昔の駅弁売りのように肩からベルトで大きなお盆を下げたり、まれには手作りながら現在の飲茶のようのワゴンを押しながら現物を持っ
てきます。お客は自分の好きなものを好きなだけ買って食べるのです。所謂衛生状態は知りませんが楽しいものです。日本では食べられないような変なものも随分食べました。

小喫処(日本的には小料理屋?)に行けば美味しい食べ物も食べさせられますし、美味しいお酒も飲むことができます。しかしよっぽどしっかりしたお店、又は馴染みの店でないと支払いのときに驚かされます。一流の料理店に行けば本当に美味しい料理とお酒を出してもらえますが、それ相応の出費は覚悟しなければなりません。

戦後帰国してからは何でも飲みました。一番悪酔いしたのは味醂(本直し)です。其の頃のお話また次回にいたしましょう。

  ではまた・・・ 
issy ・・・



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